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数々の不思議な体験や、コンプレックスを克服してきた半生を語った、初の自叙伝「Live Your Adventure. 冒険を生きろ」が発売!

Text & Photo: Atsuko Tanaka/Photo Assistant: Shusei Sato


沖縄を代表するラッパーの一人で、唯一無二な世界観でファンを魅了するOZworld。活動は音楽にとどまらず、自身のジュエリーブランド「VOiCE(ヴォイス)」やアパレルブランド「朝方のミートパスタ道」を立ち上げたり、プロeスポーツのチーム「FENNEL(フェンネル)」に参加し、大好きなゲームの世界でも活躍したりと、さまざまな分野で才能を発揮している。さらに去年は自身が得意とするデジタル領域に一歩深く踏み込み、仮想現実のプロジェクト「NiLLAND(ニルランド)」を開始し、株式会社「UTAGE3.0」を設立した。そんなOZworldが初の自伝本「Live Your Adventure. 冒険を生きろ」をリリース。本についてや、これまでの人生を通して得た気づき、今後の展望などを聞いた。


ー自伝本「Live Your Adventure. 冒険を生きろ」はどんな経緯で出すことになったのですか?

角川さんから本を出さないかとオファーをいただいたんです。担当の編集の方が自分のことを知ってファンでいてくれてたみたいで。本は機会があればいつか出したいと思ってはいたけど、こんなすぐに、しかも自伝本とは想像してなかったんで嬉しいです。

 

―改めてご自身の半生や考えなどを振り返る作業の連続だったかと思いますが、そういう作業は普段からするほうですか?

何か考えたいテーマがあって、それを紐解かないといけない時とかは振り返ることもありました。でも今回みたいに、自分じゃない人が自分の人生について色々聞いて質問してくれて、さらにそれをまとめてくれる機会ってなかなかないと思うし、この本をきっかけに「そうだ、俺はこういう人で、こういうことをしたいんだ、そういうことを決めた人なんだ」とかって、改めて自己理解を深めることができました。

 

―本と重なる内容もあるかと思いますが、まずは幼少期のことを聞かせてください。どんな子で、どんなことが好きでしたか?

冒険好きで、エロ好きの子でした。エロに関しては、エロって言葉も知らない頃から興味があって。小さい時に入院してた病院で、看護婦さんに鼻の下伸ばしてたくらい(笑)。自分のことを変態が生んだアーティストで、エロはアートの根源と思ってるタイプ。あと、絵を描くのが好きで、小さい時は漫画家になりたいと思ってました。

 

ーお母さまはとてもユニークな方だったようですね。実情育ての親である祖父母のお二人はOZさんにとってどんな存在で、どんなことを教えられましたか?

おじいとおばあと一緒に暮らしていたんで両親みたいな存在だけど、やっぱりおじい・おばあであって、めちゃ大事な家族ですね。おじい・おばあにとっては俺が初孫だったし、自分たちの子供よりも大事に育ててくれたんじゃないかなと思います。おじいからは我慢強さと、「人がやりたがらないことをやれ」って教えられて、おばあからは無条件の愛をもらいました。

 

ー中高生の頃はどんなことに興味を持ってましたか?

絵を描くのは相変わらず好きで、あとはカウンセラーにも興味がありました。それから中3の頃は彫り師になりたいと思って、親に「彫り師になりたいから高校は行かない」って言ったら、お願いだから全日の学校に行って欲しいって言われて行くことにしました。それで高校生の時に、隣の学校のめちゃおしゃれなやつからBMXとかスケボー、グラフィティ、タトゥー、ラップ、車とかアメリカの文化を教えてもらって、こんなカルチャーあるんや!って感動して、この中で自分にも何かできることがあるんじゃないかと思って、BMXをやるようになったんです。

―ヒップホップとの出会いもその頃ですよね。初めてラップを聴いた時の印象は覚えていますか?

中学の頃からAKさんとかD.Oさんのことは知ってたけど、“ヒップホップ”ってジャンルとして認知して聴いてなくて。当時はレゲエのほうをよく聴いてて、ある時たまたま「What’s My Name」というGAZZILAさんの曲を聴いて「これがヒップホップか!」って衝撃を受けました。自分の中に葛藤をめちゃ抱えてた頃だったんで、その曲がすごく響いて。

 

―でも、それを聴いて自分もラップしてみようとは思わなかった?

ですね。でも、ほぼ同じ頃に友達にラップやらないかって誘われて。

 

―やってみてどうでした?

結構楽チンというか、お金かからないんで最高だなと思いました。それから毎週地元のオープンマイクのイベントに出るようになって、曲も作り始めて、高2の頃に高校生RAP選手権のオーディションを受けだして。

 

―本気で音楽でやっていこうと思ったのはいつ頃?

その頃ですね。音楽を始めてまだ1年くらいでしたけど、「CoCo ga Okinawa」っていう曲を出して結構いい反応をもらえたから、一旦信じて続けてみようと思ったんです。それから高3になってちょこちょこライブに出始めて、ギャラをもらえるようになって、これでいけるんじゃないかって思って。

―そしてアーティスト名をR'kuma(レオクマ)からOZworldに変えて活動していくわけですが、アーティストとして大きく変わった転機となる曲や出来事を挙げるとしたら何になりますか?

大好きなRickie-G(リッキー・ジー)さんの音楽を理解できるようになったタイミングくらいですかね。その頃めちゃ悩みを抱えてた時期だったんですけど、リッキーさんの音楽にすごく支えられて、音楽って人の死を止められるくらいのパワーがあることを身をもって知って。「その音楽やっとるやん、俺」って、音楽にマジでコミットしようって思えたんです。

 

―自分がやったことじゃなくて、他人の曲が転機になったんですね。

そう、人に食らわされたおかげでそう思えた。じゃなかったら、ただ好きってだけで音楽をやってたと思う。まあ、実際好きでやってるし、自分のファーストアルバム(OZWORLD)を聴いて勇気づけられたとかって言ってもらえることもめちゃくちゃ多くて嬉しかったですけど、あの時は自分自身がちょっとやばかったから、誰かのためにとかは一切考えずに作ってました。

 

―外から見たらそんなふうには見えなかったですが、死を考えるくらい辛い時期もあった?

ですね。俺は占星術とか統計学をよく見るんですけど、生への執着がまじ薄いらしいです。何か良くないことが起きてもネガティブに受け止めないというか、なぜか理解してるから(生に対して)全然抵抗はない。

―本に「コンプレックスを抱えていたけれど、コロナ禍に起こった色々な出来事で払拭された」とありましたが、どのようにして変われた感じですか?

いろんなターニングポイントがあったけど、何かことが起きる度に心の扉を開いて、変わり続けていった感じです。2枚目となる零アルバム(OZKNEEZ FXXKED UP)を出した時は自分たちでレーベルを立ち上げた頃で、フィジカルネガティブに入ってたけど、体とか物質的な部分よりもデジタルに頭を振っていろんなことに挑戦してるうちに、未来の展開が見えてきたから、ちゃんと本気でイメージしたら超自分のためになる世界になるんじゃないかと思えて。それと、その頃ある人に出会ったことをきっかけに考え方とか影響されて、自分をめっちゃ俯瞰して見れるようになったし、事実のみを捉えてポジティブに大事なものだけを見ていく方法を学んでいきました。

 

―では、アルバムについてもお聞きしたいです。これまで出された3枚のアルバムはすべて繋がりがあり、3枚目のアルバム「SUN NO KUNI」のテーマは陰陽統合で、 それぞれの曲とその流れにも意味があるとのことですが、中でも一番聴かれたかと思うラスト2曲「Gear 5」と「MIKOTO~ SUN NO KUNI」について、どんな意味合いが込められているのか教えてください。

Gear 5は、このアルバムのキー曲で、曲名は大好きな漫画「ONEPIECE」から来てます。26年続いてるONEPIECEですけど、ここ数年で急展開があって、作者の尾田栄一郎先生が伝えようとしていることが、自分の紐解いて出した答えと、しかも置き換え方まで全く一緒だったことから曲名をGear 5にしました。(ワンピースにおいての「ギア5」は、主人公ルフィの身体強化技の一つで、レベルが最高潮に達することを意味している)ルフィはギア5を使って「太陽の神“ニカ”」に変身するので、自分のアルバムでも、“Gear 5を使って太陽の神様になって、SUN(太陽)の国が開かれる”っていう流れにしようと思って、次に「MIKOTO~SUN NO KUNI」を持ってきた感じです。

―なるほど、私のようにONEPIECEにあまり馴染みのない人だと分かりにくいかもしれないですが、読んでいる人はきっと「そういうことか!」と思うんでしょうね。ちなみにフィーチャリングに関しては、どうやって選んだんですか?

ralphくんは、元々お願いしていた人がダメになって、次にお願いできる人を考えた時にいいんじゃないかと思って。ACE COOLくんは、自分がまだ一緒にやったことのないかっこいいテクニカルなラッパーがいいなと思って、ちょうどレッドブルの「64Bars」に出ているのを見て、「いた!」って思いました。まさにやってほしいラップをしてくれた感じで、自分のヴァースを歌うより楽しいです。

 

―Awichさんと唾奇さんとはこれまでもずっと一緒にやられてますが、OZさんにとってどんな存在ですか?

兄さん、姐さんって感じです。魂レベルで繋がってるみたいな。

 

ー沖縄の人っていうだけで繋がる感覚はありますか?

それはちょーありますね、沖縄人同士は。

 

―ちなみに3枚目を出して、「今後は真面目にするのはやめて、遊び心でやりたいと思ってる」と、あるインタビューでおっしゃっていましたが、その辺りはどうなんですか?

そうですね、使命感に駆られて3枚作って、一旦区切りができたんで、ここからは広げた風呂敷の中身を整理して、みんなに回収させてあげられるような、ストーリーをちゃんと見せれるようにしたいと思ってます。「TOLAND VLOG」に出て色々説明できたおかげで、みんなにとっても難しかった部分は回収できたと思うし、自分が言ってたことにようやく時代が追いついてきて、いい流れに乗った感じ。今年は辰年で、とんでもないフローが起きてるんでめっちゃいい感じになってきてます。

ー辰年になったことで何か感じてることがあるんですか?

運気は爆上がりですね、仕事とか、全てにおいて笑えるくらいのレベルで。

 

ーOZさんの運勢と今年が合ってるということ?

今年の運勢とかは確かめてないけど、辰年は確実に自分の年になるって信じてるし、相当な奇跡が起こってます。

―素晴らしいです。では、これまでの活躍ぶりを振り返ってみて、ご自身はどんな風に成長したと思いますか?

いつかのタイミングから、人とコミュニケーションを取るのを恐れて、「俺、大丈夫か?」って自分自身を勘ぐる時があったりしたんですけど、3枚目のアルバムを出したあとくらいは不安から脱却できました。

 

ー自分を信じられるようになった?

とてつもなく。

 

ー自分を信じ続けるのって時に難しいですよね。

難しい。だから、ある意味変態であることが大事。どんな状況でも自分を肯定して、ポジティブに転換させる。まともすぎるとつい真面目に考えちゃうし、できない自分が許せなかったりするけど、そういう感覚は無くなって解放されました。今良くなろうとしてる自分に気づけたら、それで良しと思えるようになった感じです。

 

ー元々考え方がポジティブな人は、ネガティブに入ったとしても思考を転換しやすいと思うんですけど、そういうのが難しいと考えてしまう人にアドバイスをするとしたら?

今の自分を最高に受け入れてほしい。変わりたいと思った時に、変わるためのカリキュラムが見えてくるし、動き方がわからないんだったら調べてみるのがいいと思う。調べれば基本全部出てくるから。それにたとえ落ち込んでいたとしても、前に進んでこの状況をどうにかしようって思いがあれば、絶対どうにかなる。もしどうにもならなかったとしても、その「どうにもならない何か」から違う問題を発見するかもしれないし。あとは遊び心を持つことが大事だと思ってます。自分もそれに逃げることは多いですね。

―では、少し話題を変えて、OZさんがラップを始めた頃と今を比べてヒップホップシーンは変わったと思いますか?変化をどのように感じていますか?

ヒップホップって社会を変えるくらいのパワーを持っていて、日本も今はただの流行りとかのレベルは超えて、インフラじゃないかって思うぐらいの概念になってるじゃないですか。そういうものが人の精神に宿って、それが色んな形で広がって、色んなジャンルに潜入してる。今、世界にもっとも近いところにAwichがいて、Wavyくんがその後ろにいて、そのまた後ろを自分も続こうとしていて。他にもCreepy Nutsが大バズったり、BAD HOPが突出したって思ったらドームでやって引退みたいな、たった10年の間の移り変わりもすごいと思うし、面白い転換期だなと思いますね。

 

―引退と言えば、ヒップホップって若い人たちの音楽というイメージがありますが、最近のラッパーのみなさんは先のキャリアとかも考えながらやってるんですかね?

やってないんじゃないかな。明確な答えがなさすぎて、考えたらちょっと病みそう。だって例えば「2年の間にこれをやって、こう行く」とかって計画したとしても、運が悪かったりして当たらないこともあるんで。ピースなことよりビーフの方が好まれるし。

 

―それはヒップホップに限らずそうですね。今後日本のヒップホップシーンがこう変わったらいいのにと思うことはありますか?

それはあんまりないすかね。どういう生態系で進化していくのかは気になります。

―今ってなんでも数字で計られがちな時代ですが、そういうのは気にしますか?

めちゃ気にします。「アートとビジネスの棲み分けは難しい」って思ってる人ってたくさんいると思うんですけど、自分は村上隆さんの「芸術起業論」という本がめちゃ好きで、そこに書かれているように、ビジネス的な観点で考えるからこそ、制限のある中で新しいアートが生まれると思ってます。自分のことで言うと、自分がカッケェって思う曲はいくらでも作れますけど、その先にある、他の人にもカッケェって共感されることが喜びなんで、そういう思いを大切に音楽をやってます。

 

―音楽に限らずだと思いますが、作ることよりも届けることの方が難しかったりしますよね。

そう、今は何かをクリエイトしたり、それを出すことは簡単にできるけど、見てもらうのは難しい。いろんな情報が多すぎて。でもAIのおかげで、もっと巧妙にパーソナイズされた情報が出てくるようになると思うんで、そこの期待はあるけど。

 

―では、ご自身の音楽のスタイルを一言で表すとしたら?

「自由」。自分も自由だし、自由な表現を使って自由を伝えたいと思ってます。

 

―自分のリリックで特に好きなものは?

ここ最近の曲では「MIKOTO~SUN NO KUNI」の、「深海から沿岸まで 上昇するリュウグウノツカイ するお使い ホツマツタヱ 奥が深いこの旅  縁を結び 形作る 波から粒 瞼瞑る 印を結ぶ 深呼吸する 韻を模して 引導を継ぐ」って、最後のほうでたたみかけてラップする部分があるんですけど、そこは映像を見るみたいにバーっと出てきたもので、まだ自分でも全部を解読できてないくらい色々こもってます。

―自分のMVで一番好きな作品と、印象的なポイントは?

これも今は「MIKOTO」かな。MVを撮った場所の隣に神社があったんですけど、神社に入った瞬間から空気が変わるようなすごさがあって、Awichと唾奇さんと3人でタバコ吸いに行ったら「やばくない、ここ」みたいになって、30分くらいずっと喋ってました。

 

―では、最近OZさんの中で流行っている、一番よく使う言葉は?

「ま?(マジ?の意味)」ですかね(笑)。

 

―ファッションも独特ですが、最近はどんなスタイルが好きですか?

今持ってる服は、自分のブランドのもの以外は、お気に入りの黒の長ズボンと半ズボン、黒のジャケット、春用の薄いジャケット、Tシャツ数枚だけ。あとは全部人にあげたり売ったりして断捨離しました。自分のブランドで作りたいのを作れる環境にいるのに、他のブランドものを買うのは勿体無いなと思って。

 

―ご自身が思う自分はどんな人?他人が思う自分とギャップを感じることはありますか?

自分で思う自分は、ポジティブな面で言うと、信じるパワーが強いところ、悪いことをポジティブに変えられたり、人と深く仲良くなれるところ。でも、色々なことに興味を持って自分を探求して分かったのは、自分一人でできることには限界があるということ。だから自分にできないことは人に頼ります。素直に、「自分一人ではできないから助けて」って言う。そういう意味で巻き込み力はあるんじゃないかと。自分が思う自分と、他人が思う自分とのギャップはあまりないと思います。

―これだけは他人に負けないと思う点は?

未来予知。予知したら、それに合わせて何かを作っていくのまでやりたくなってしまうというか、ふと何かが目に留まったら繋げていっちゃう。

 

―具体的に言うと?

例えばコロナが起きた時、コロナにアンテナ立てて紐解いていったら、コロナと弥勒(みろく)が繋がって、「日月神示(ひつきしんじ)」という本に辿り着いた。日本人は直感型の人が多いと思うし、特にアーティストは精神的な面と向き合う時間が多いから、自分と同じようなものの周波数をキャッチしやすいんですかね。そこからさらに紐解いていったら、世の中の流れが把握できるようになって、次はどういうことになるだろうとかって大体の予想がつくようになった。でも言霊にビビっていて、こういうことを誰かに言って、その人を不安にさせたらその人の引き寄せが作動するから、あんまり言わないようにしてる。なのでメモしてます。

  

―今気になるアーティスト、よく聴いている曲などはありますか?

音楽は自分が作った曲を3回くらい繰り返し聴いて、あとはオーディオブックとかをメインに聴いてる感じです。今はサムさんという方が出した「古事記転生」を聴いてます。

 

―音楽は、今流行ってる曲とかはあまり聞かないんですか?

チェックはするけど、1、2回聞くくらいですね。

 

―それは聞くと影響されちゃうから?

数年前はそんなカッコつけたことを言ってたんですけど、今考えると、「聞いてない自分かっこいい」みたいなパフォーマンスだっただけで、そもそもそんなに影響受けてなかったなと思います。昔はヒップホップってものを知るために好きで聴いてて、そこから何を学びたかっのか考えてみると、自分をこのフィールドで表現する上でのかっこいいを知るためだったんだろうなと思う。だけど、段々とヒップホップに陰なバイブスを感じ取るようになって聴かなくなって。もちろん本当に気になるものがあればチェックするけど。

―今後フィーチャリングしてみたい人や、一緒に曲を作ってみたいプロデューサーはいますか?

やれば絶対にいい曲ができるだろうけど、なぜかやってこなかった人たち、例えばKEIJU(ケイジュ)さんとか。今後誘ってやりたいと思ってます。

 

―今世界で起こっていることで気になることを教えてください。

Web3とかブロックチェーンとかの流れがどうなるのかなって思います。

 

―例えば戦争とかそういうことよりはそっちの方が気になる?

戦争もめっちゃ気になってましたけど、戦争は止められないことに気づいたんで、だったら戦争と真逆のことをやり続けようと思って。それは何かと言うと祭、宴だと思ってます。その宴を続ける上で、お金だけじゃない楽しみ方というか、プラスアルファの体験と、普段の行動が新しい経験につながるようなサービスを作って、宴の世界に応用していきたい。それを「UTAGE3.0」って呼んでいて、そういうことに必要な情報を得るために世の中の流れを追った時には、そういうことの方が気になります。

―では、OZさんの未来予想図を教えてください。

やろうと思うことに限界はないんで壮大に考えることはあるけど、「VOiCE」なり「NiLLAND」なり、音楽以外での活動を、音楽にギャップのない近さまで持ってくることが直近の目標です。そのあとは、完全にバーチャルに移行します。場所と時間の制約に縛られず、自由に音楽を作ってリスナーに届けられるWeb3のサービスを創りたいと思っています。4年の間には、それらを余計な心配をせずにできるようになりたい。そうするには説得力を強化していかないといけないですね。まだまだ隙だらけなんで。

 

―最後に、OZさんにとってヒップホップとは?

足りないものや、不満だったりストレスだったりから生まれるものだと思います。そして、もっとも自分自身の声に近い音楽です。


Live Your Adventure. 冒険を生きろ

天才か宇宙人か。ラッパーOZworld、待望の初著書!

沖縄出身、稀代の才能で世界中にファンをもつOZworldの初著作。これまで経験してきたまるでフィクションのような出来事、息が詰まるほどリアルな感情、そしていいことも悪いことも全部含めて、それらがどう今に繋がっているのかがわかる圧倒的自叙伝! 隣にはいつもコンプレックス。でもいつか、それが無敵の武器になる。

最高の冒険を、最高の仲間と共に生きる――。OZworldの世界観や人生観は、きっとあなたの中の冒険家も目覚めさせるだろう。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322307001245/