Text & Photo: Atsuko Tanaka

SORANE in Omotesando

―今日のオシャレのポイントを教えてください。

この「CACTUS PLANT FLEA MARKET」のTシャツです。この前フジロックでお客さんがいっぱいおるのを見た時に、やっぱりいいなと思って、そういうフェスの光景が服のデザインになってるのってあまりないし、“Love & Peace & Rain”っていうデザインも可愛いいし、いいなと思って買いました。

―洋服がすごく好きだそうですが、最近お気に入りのブランドやファッションスタイルはありますか?

ブランドで選ぶというよりかは、自分の個性にあってて色味のいい服を買うことが多いです。でも、最近多いのは海外だと「KAPITAL」かな。サステナブルで今の時代のことも考えて作られてるし、着やすいです。あとはカジュアルでストリートぽさがあって、メッセージ性がちゃんとしてるもの。そして空音っていうアーティストからも、素の自分からも、あまり離れてないテーマのものを無意識に選んでると思います。細めでも太めでも、カジュアルな感じが多いですね。

 

―空音さんは人的にもカジュアルなタイプ?

人当たりは多分めっちゃいいほうやと思います。誰とでも仲良くしたくなるし、楽しく接することができる。

―尼崎出身だそうですが、今ベースは東京ですか?

そうですね、今年の2月から東京に住んでます。でも尼崎にも家を借りてて、事務所も大阪にあるので、関西で仕事して、また東京に戻ってみたいなのを繰り返してる感じです。

 

―今日撮影した表参道はよく来ますか?

はい、買い物する時はいつも原宿の方から表参道の方に上がってきて、友達と歩いてセレクトショップを探したり、買わなくても普通に見て楽しんだりしますね。原宿だと自分が好きなカジュアルな服が多いUNITED ARROWS & SONSに行ったりします。

 

―洋服を買うのは、街だったら東京が多い?

そうすね。でも、街で買えるものは誰かとかぶる可能性が高くなるんで、基本はオンラインで買います。

―ファッションスタイルを参考にしている人やサイト、アプリなどはありますか?

SNSで、海外のラッパーは満遍なく見ます。特にAminéっていうラッパーがすごい好きで、彼のファッションスタイルは取り入れてますね。あとは、Joey Bada$$も好きやし、UKのドリル系のファッションとか、色々見てその中からいいとこを取り入れる感じです。一般の子達のファッションも、めっちゃ色使い上手やなとか、おしゃれやなとかってチェックしたりします。

 

―世界で一番オシャレな人が多いと思う街は?

それはダントツでニューヨークかなと思います。行ったことはないですけど、Vlogしてる人の動画とかを見て、みんなすごいフランクな感じで、自分の個性に合ってる服を無意識に選んで着てるイメージ。若者がそういう風にファッションを楽しんでるのは日本もそうやと思いますけど、やっぱりニューヨークのスタイルはかっこいいなと思う。

 

―日本の若い子達も、見ていてスタイルが変わってきているなって感じます?

思います。中高校生でも、稼いだバイト代を全部ファッションや音楽に使ったりする子達がすごい増えてると思うし、ラッパーの服装を見て勉強しておしゃれしようとする追求心が上がってきてる。東京、大阪とかは特にファッションに興味のある子が多いなって感じます。

―では、空音さんにとってファッション・ビューティーで欠かせないアイテムは?

ファッションはブレスレットと指輪ですね。ブレスレットはヴィトンで買ったんですけど、いつも必ずつけてて。何にでも合うし、これをつけて服を着て髪の毛セットしてっていうルーティーンで自分の気を高めてる感じです。リングはグッチで、色味もいいし、星とかハートとかのマークが入ってるのが好きで気に入ってます。ビューティーは断然香水かな。身の回りの人にいい匂いと思ってもらえるだけでイメージが上がると思うんで。ずっとマルジェラのレプリカを使ってます。

 

―タトゥーもポップな感じでいいですね!

いくつか入ってるんですけど、左手に入れてるのは全部同じ人にお願いしようと思って、神戸の「ハーバースタジオ」にあるタトゥースタジオの Toa君に入れてもらってます。中でも1番のお気に入りはこれ、引き寄せの法則をイメージして描いてもらったやつです。僕のおかんに、実現したいことは口に出した方がいいってずっと言われてきたんで、それをタトゥーにしてみようと思って。少年の頭で色々想像したことが口から出てるみたいな感じです。

 


―今後挑戦してみたいスタイルは何かありますか?

シンプルだけど、アーティストの個性で認められるようなファッションですね。今はこうやって色味があったりメッセージ性があるものを着てますけど、30代になった時にファッションの引き算を完璧にできるようになっていたいなと思ってて。例えば白 T とデニムとコンバースとか。タカ君(WILYWNKA)がそういうファッションが上手でかっこいいって思いますけど、あんな風に着こなせたらいいなと。僕は今21なんで、30までにああいういう風になりたいと思います。

 

―ちなみに空音という名前は本名?

そうです。お父さんがつけたんですけど、空の音とか自然の音とか、自然に鳴ってる音であって欲しいみたいな、どこにおってもその場に溶け込んで、場の中心におって盛り上げたり、発信できる人になって欲しいという意味でつけたみたいです。

 

―では先日リリースされたニューシングル「GIMME HPN」について聞かせてください。大沢伸一さんがプロデュースされていますが、どのようにして一緒にやることになったんですか?

新しいことをしたいっていうのはいつも思っていますが、今回はチームと話してエレクトロ系のサウンドで行こうという風になって。僕の周りにエレクトロ系に特化してやっているトラックメーカーがあまりいなくて、大沢さんとは僕が今所属しているチームが一緒なのもあって繋いでいただきました。



―一緒に制作してみていかがでしたか?

僕はずっとダンスをやっていたんで、ファンクなサウンドの質感はもともと身近に感じてましたけど、昔ながらのドラムのなりであったり、大沢さんやからこそのファンクなサウンド感をすごい感じました。自分がずっとやりたいと思っていたサウンドを形にしてくださった感じです。

 

―大沢さんの音楽に対する姿勢から何か学んだことなどはありましたか?

制作は大沢さんのスタジオで行ったんですけど、機材とヴァイナルがたくさんあって、量的にもクオリティ的にもすぐに準備できるようなものではない感じで、かっこいいなって感銘を受けました。僕も最終的には自分でプリプロくらいは録れる環境を作りたいと思ってますが、その完成形を見た感じがして。それでその日家に帰った後、早速トラックを作ってみようと思ってやってみたけど全然ダメでしたね。やっぱりトラックメーカーってすごいんやなって改めて思いました。

 

―リリックはどんな時に浮かぶことが多いですか?

ドライブしてる時ですね。音楽を聴くためだけに車に乗るくらいドライブが好きで。ちょっと思い浮かんだらサービスエリアに寄って、小1時間くらいリリックを書いたりする時もあります。特に、東京から大阪に移動してる最中に浮かぶことが多い。自分がリラックスできる環境に向かってるって思うと、頭が柔らかくなって浮かぶんですかね。あとは、友達と音楽についてとか今後の展望とか真面目な話しをした後は、家に帰ってもずっと考えたりしてるから、それを消化しようとして書いたりします。何か浮かんだらすぐにメモするんで、それが功を制していろんな曲ができてるっていうのはあると思います。

―東京だとどの辺をドライブするんですか?

お決まりのルートがあって、レインボーブリッジを走りたいんで、まずお台場の方に行きます。ブリッジを超えたら、横浜の方に向かって行って、横浜駅西口っていうところを降りる。そこからちょっと走って、また東京の方に戻る高速に乗って、多摩川で降りて帰ってくるみたいな感じです。


―ドライブの時はどんな音楽を聴いてますか?

最近はSminoがすごい好きで、あとはSunni Colónとか、Tylerの「FlowerBoy」を掘り下げて聴いたり。海外のラッパーが多いですね。でも、いきなりUNICORNを聴いたりもします。この前「すばらしい日々」がいきなり流れてきて、テーマもめちゃいいなと思って。奥田民生さん、すごいかっこいいと思います。

―今後の活動予定を教えてください。

今4枚目のアルバムを作っていて、11月末くらいにリリース予定です。ここ1、2年ぐらいはEPをたくさん作ることが多くて、アルバムも作りたいなとは思っていたけど、EPみたいに比較的気軽にできるものではないので。今回は自分なりに一つの曲に対して、テーマもサウンド的な面も、こだわりたいと思うところは手を抜かずやってるので、これまでで一番良い状態で制作出来てるような気がします。かっこいいものを作ることに関してはチーム全員で妥協せず出来てるし、それがすごいモチベーションにもなっていい感じですね。

 

―完成、楽しみにしてます!では最後に、空音さんにとってヒップホップ とは?

若者の味方になってくれる音楽やなって思います。BrothWorksが僕を見つけてくれて大きくしてくれたように、みんなで助け合って、その中心に若い子を立たせてあげようとするカルチャーやなと思う。尼崎のヒップホップシーンはまだまだこれからなんで、もっと盛り上げていくためにも、自分もどんどん制作に励んでいきたいと思いますね。あと自分以外も、1曲だけでもいいから誰かをプロデュースしてみたいと思ってて、その時は絶対地元の子がいいなと思うから、その時までにもっとでかくなってたいと思います。



「GIMME HPN」2022.08.03 RELEASE

Lyrics by 空音
Track by Shinichi Osawa
Produced by Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)

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